腰張り(腰貼り)

毎度ありがとうございます。

 先日、新しく壁面のじゅらく仕上げされた数寄屋建築の邸宅の腰張りをさせていただきました。

 腰張りに使用する紙は湊紙と言いまして、襖紙の鳥の子紙よりも薄い紙で紺、白、花色(深緑)、灰色、墨色(濃鼠色)といったカラーバリエーションがあります。一般的には紺色(茄子紺)を使い、綺麗に左官された壁の保護のために貼ります。腰紙の高さは9寸(約27cm)

が一般的で、お茶室では亭主側に白(一般的に奉書紙か西ノ内紙)を一段貼り、お客様側には紺の湊紙を2段に石垣を積むように貼ります。

今回は手で漉いた和紙に紺色で染めた上質の和紙を使用しました。

ここで使う糊ですが、襖や障子を貼るために使用するでんぷん糊では接着が強すぎて次回の貼り替えの際に壁を傷めてしまいますのでここでは海藻を焚いて作った麩糊を中心に使用します。

また、壁の状態に応じてでんぷん糊も混ぜて使用します。腰張りをすると壁の保護もそうですが、空間がすっきりと締まって見えます。



京都で襖、障子、額装、屏風、掛け軸なら安達表具店

安達表具店は、京都市上京区の南端、二条城の北沿いにほど近い猪熊通に事務所と工房を構えて95年(令和2年現在)の歴史ある京表具店です。 日本の建築に欠かすことのできない襖、障子の新調、張り替え、製作だけでなく、額装や屏風、掛け軸までを幅広く取り扱っております。